2017年9月11日
この日本に生活している方であれば、プリクラの存在はほぼ皆さん知っていると思います。何となく楽しくて、ついつい撮ってしまうのがプリクラですが、実はこのテクノロジーも日本が世界に誇るものであることをご存知ですか?(私は海外に留学していたころ、日本のものよりかなりシンプルなプリクラの機械がアメリカやらイギリス・ロンドンやらに輸出されていたのを見てきました。)そのプリクラを使って、自分を「盛る」− これは日本の女の子独特の現象で、この「盛る」を研究されている東京大学の久保友香先生に、先日お会いしてきました。
絵文字や自撮り(セルフィー)、可愛い文化など、日本人の女の子が火付け役となって世界に広まっていったものはたくさんあります。
これからますますICT化が進み、バーチャルリアリティ(仮想現実)などが盛りあがる時に、プリクラやアプリなどで本来の自分の姿を変える(「盛って」)日本の女の子発祥の「シンデレラテクノロジー」が世界にもっと広まっていくのではと思うんです、と久保先生。
このように自分の姿をリアルにそのまま見せるのではなく、加工して(=「盛って」)リアルな自分を変えることを可能にしたのは、テクノロジーの発達に他なりません。久保先生はプリクラの開発者のエンジニアの方々などと協力して日本の女の子がプリクラなどで「盛る」様子を分析・研究するという、とても興味深い研究者でいらっしゃいます。
単に理科・物理・情報科学を勉強しなさい!と言われても、あまりピンと来なかった「超・文系」の私ですが、プリクラという非常に身近なものの進化とその背後にあるテクノロジーの進化についてお話をうかがうと、理系分野の研究にがぜん興味がわいて来るのです。
これからの時代に、女の子も理数系の学問に興味・関心が持てるようなお話を、生徒たちにもこれからたくさん紹介していきたいと思います。
ちなみに・・・ですが、何とも皮肉なことに、久保先生にお会いした翌日、20年ほど前の留学時代の友達からメールが来て、
「部屋を片付けてたら、一緒に撮ったプリクラが出てきたよ。」
とのこと。何という偶然でしょう!
20年前には「盛れる」プリクラの技術などはまだ全くありませんでしたから、恥ずかしすぎる古ーい過去のプリクラ・・・。テクノロジーの進歩は本当にすごい、とこんなことからも改めて感じてしまったのでした。