2019年3月4日
昨日の3月3日(桃の節句)に、第110回卒業証書授与式を行いました。本校の創立110周年の節目の年に、生徒たちが未来へと羽ばたいて行きました。
卒業生にどのような言葉を贈ることが、彼女たちの心に残るだろうかと毎年悩みます。しばらく悩んで考えた結果、今年は、卒業生の皆さんと同じ女性として、これから女性としての人生を生きていく彼女たちに率直に伝えたいことをお話しました。高校卒業以降の人生は、「周りの友達と同じタイミングに、これをする」というレールのようなものが無くなり、常に「選択・決断の連続である」ことを、私の人生を事例にお話させていただいたうえで、悔いのない道を選んで情熱を持って生きていただきたいとお伝えしました。
人生には数えきれないくらいの「わかれ道(岐路)」がありますが、その岐路に直面したとき、自分自身の心にじっと問いかけて、悔いのない道、自分の情熱が「こちらがいい」と自分に訴えかけてくる道を選んでいただきたいと、私は皆さんに期待しています。
そんな「決断」に迷ったり、不安に思ったときには、ぜひ創立者の髙木 君(たかぎ きみ)先生のことを思い出してほしいと思います。彼女の人生こそ、果敢な決断の連続であったと言えます。お金もコネもツテも無いのに、(他の学校の先生になる道ではなく)女性が明治時代に学校を創るという道を選んだ君先生。関東大震災や戦争で2度も校舎がなくなってしまって、「学校をやめるか、ゼロからやり直すか」の選択を迫られたときにも、迷わずゼロから再建することを決断しました。
そんな君先生の学校を卒業した皆さんであれば、きっと自分の魂の声に忠実な道を選ぶことはできると思います。
日々、「悔いのない道」「情熱を持てる生き方」を選択して、輝いている皆さんにまたいつか、お会いできることを楽しみにしています。
3年生の皆さん、ご卒業誠におめでとうございました。
追記) 卒業式の中で、卒業生の会(「菊蘭会」)の名誉会長さんが、「菊蘭会」という名前の由来についてお話くださいました。創立者の髙木君先生が「女性は花のように美しくはなやかに」と、その花の中でも「菊」のようにしなやかで強く、「蘭」のように華やかであってほしいと「菊蘭会」と名付けられました。そして、その君先生の考えは、4月からの新校名「英理女子学院高等学校」にもつながるものだと改めて感じました。